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coquito

  • Author:coquito
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カリビアンシリーズ総括

 
カリビアンシリーズ総括

55回目の開催となったカリビアンシリーズ。
1949年に第1回が行われ中断する時期があったもののカリブ野球の発展に大きく貢献してきた。
開催地は毎年参加国の持ち回りで移動し、今年はメキシコのエルモシージョで行われた。
エルモシージョはこの大会の為に新球場を新設、待ちに待った大会といえよう。
ちなみに2010年のベネズエラ、2011年のプエルトリコも改装した球場で開催するなど、最近のカリビアンシリーズは球場の改装のきっかけになっている。
この第55回カリビアンシリーズの大きな特徴として今大会から優勝決定戦を行うことになった。
これは今までは勝敗で順位を決めていた為に最終日までに優勝が決まってしまうという事態が起こり、その場合興業的に盛り上がりに欠けるということで長年の懸念事項だった。
しかし今大会から長い伝統を破り新しい方式を取り入れることとなった。
これにより最終日の最後の試合で勝ったチームが優勝となり、ファンにとっても優勝が非常に分かりやすくなった。

そしてこの大会、数か月前に既にチケットは売り切れるほどの事態だった。
毎回メキシコ開催はチケットが売り切れるほどの盛況であるが、今回は新球場のこけらおとし。
チケットの発売開始時期はまだメキシコリーグ戦の中で地元エルモシージョのチームがカリビアンシリーズに行けるかどうかも分からない状況でもすでにファンはチケットを求めた。
そのチケットは数か月前に売り切れ、1週間前に追加販売された時にはチケットを求める人の列が数百メートルにも及ぶ列となった。
前売りという概念に乏しいラテン文化だが、こういうところからもメキシコでのこの大会への期待度の大きさを伺い知ることができる。

それでは、代表チームを少しおさらいしよう。
強豪ドミニカは昨年の優勝チームのレオネス・デル・エスコヒード。
リーグファイナルでアギラスを4連勝で下しての優勝で2年連続。
ただ、相手チームにはマニー・ラミレスが在籍しており、もしアギラスが勝っていればマニーがカリビアンシリーズでプレーするところも見たかった。
しかし現役MLB選手、ドジャースのハンリー・ラミレスが参加。
ハンリー自身もドジャースがプレーを許可してくれたことに感謝するとのコメントを残している。
他にもフェルナンド・ロドニーなどの現役メジャーに加え、若手のプロスペクトも混ざった構成でドミニカの20回目の優勝を目指すには十分な布陣。
ベネズエラはナベガンテス・デル・マガジャネス。
こちらのリーグは最後まで大混戦で優勝が決まったのがカリビアンシリーズ開幕の2日前というギリギリの状況。
ファイナルではMVPも獲得し優勝に貢献したパブロ・サンドバルやエルビス・アンドラスのMLB選手がいたものの、カリビアンシリーズには両選手は不参加とメンバー的にも戦力ダウン。
いきなり飛車角抜きでの対戦に苦戦が予想されたが、監督はWBCのベネズエラ監督も務めるルイス・ソーホーの国際試合での戦いに豊富な経験に基づく采配が期待された。
プエルトリコは、クリオージョス・デ・カグアス。
カグアスはGM、監督が変わり大きくチームが変わったものの実力チームらしくプエルトリコリーグを制した。
ファイナルでは元メジャーリーガーのハビエル・バスケスが登板。
バスケスはカリビアンシリーズの参加も考えられたが、ファイナル後に急遽右ひざを手術することになり参加は不可能になった。
現役メジャーリーガー不在のチームながらチームワークの良さでプエルトリコに13年ぶりの優勝を持ち帰りたいところ。
そしてメキシコはヤキス・デ・シウダー・オブレゴン。
メキシコリーグを3年連続で制覇、そして一昨年のカリビアンシリーズ覇者。
リーグ戦は3位ながらポストシーズンで勝負強さを見せ、ファイナルは4連勝で勝ち上がった。
地元のメキシコ開催で気合の入りかたも大きい。

次に大会をおさらいしよう。
まず、大会はドミニカが3連勝、プエルトリコが3連敗という対照的な成績を残した。
従来ならこの時点でプエルトリコの優勝はほぼ無くなるのだが、今回から採用された優勝決定戦のおかげでまだ優勝の目は残っていた。
地元メキシコも2試合連続サヨナラ負けを喫するなどやや大会序盤は運がなかった。
そして大会6日目を迎えた時は、ドミニカ以外が2勝3敗で並ぶという異例の展開。
その中でプエルトリコを倒したメキシコがドミニカとの優勝決定戦を戦うこととなった。
優勝決定戦は9回まで2安打と防戦一方ながら2-1とメキシコがリードする展開。
しかし最終回のドミニカは土壇場で同点のHR。
14回にもメキシコはHRでリードするもののドミニカが同点に追いつき決着がつかない。
18回にも同じようにメキシコは表の攻撃でHRで1点を取り、今度は裏のドミニカの攻撃を押さえてゲームセット。
この試合の試合時間7時間28分はカリビアンシリーズの歴代最長となった。
予選では圧倒的な強さを見せながら最後の最後で泣いたドミニカ。
得点圏のチーム成績が16打数1安打、残塁21とあと1本が出ず優勝は成らなかった。

それでは大会のまとめをしたい。
今までまともな改善がなかったカリビアンシリーズだが、結果的に今回の優勝決定戦の採用は大成功と言えよう。
最終日までどのチームにも優勝の可能性が残り、大会が白けることがなかった。
大会は7日間で11万5千人の大観衆を集め、これはおそらくカリビアンシリーズの過去最多入場人員。
噂では優勝決定戦の球場の外ではダフ屋が定価の10倍の値段を付けていたという記事も見られた。
ただし、チケットの不正取得などが原因で球場への再入場を禁止するなど、チケットに関してはかなり厳しい措置が取られていたようだ。
今回の大会の特徴として球場が新設されたことがある。
この球場、ソノーラ・スタジアムは16000人の収容人員を誇るだけでなくメジャーリーグの規格も満足しており、将来的にはWBCやメジャーの公式戦も視野に入れているとのこと。
ところがこの球場は約30Mドルの費用をかけて建設されており、地元ソノーラ州の税金アップに反対する人々がデモ活動をし、球場に入る車をバリケードでストップさせるという事態もあった。
この反対活動はマスコミの記事ではほとんど見られなかったが、YouTubeで検索するとその様子を垣間見ることができる。
http://www.youtube.com/watch?v=dozzP_09hmc
http://www.youtube.com/watch?v=RM0Q04PXAH8
この世の中、マスコミの情報だけでは真実は伝えられないといったところだろうか。
また、大成功と思われたこの大会でも他に実はドミニカチームのボイコット騒動があった。
この大会の前日、ドミニカチームの一部の選手が給料の支払いについて契約とことを主張、大会をボイコットすると発表を行った。
どうやら、カリビアンシリーズ参加に当たり15日分の給料が出る契約だったはずだが、オーナー側は10日分だと主張しこじれた模様。
カリブ野球連盟、カリブ野球選手会、ドミニカ野球協会、ドミニカのチームであるエスコヒードの4者会談で最悪の事態は収まった模様。
現在給料の支払いに関してルールが明確ではないので、今後は統一のルールを作るべきとの流れとなった。
もう一つ問題となったのはドミニカのロースターに入ったネルソン・フィゲロア。
フィゲロアはプエルトリコのWBC代表に入っており、ロースターの発表の後でプエルトリコの野球連盟からフィゲロアを投げさせるなとの通達があり、カリビアンシリーズでベンチに入っているものの全く投げることがなかった。
MLBからも許可が出ないと参加できないという暗黙のルールがあるのだが、参加を誰が決めることができるのかが非常にあいまいであり今後ルール化していくことが必要だともマスコミでは報じられている。
そして、このカリビアンシリーズ(というかウィンターリーグ)は補強選手が認められている。
これは国内リーグで参加していた選手がカリビアンシリーズに出場しないとなった時に代わりの選手を他チームから入れることができるシステムだ。
恐らく本来は出られなくなった選手の代わりというのが目的だったのだろうが、今では完全に補強が目的となっている。
ちなみにチームのロースター選手が28人のうち、今回の補強選手はドミニカが19人、ベネズエラが18人、メキシコが13人、プエルトリコが4人となっており、ドミニカ、ベネズエラは半数以上が他チームの選手だ。
さすがにこれでは優勝チームの意義をあまりなしていないと思われ、これも一定のルールが決められるかもしれない。

来年のカリビアンシリーズは2010年と同じベネズエラのマルガリータ島で行われる。
相変わらずキューバやニカラグアなどの参加の噂もあるが、一つ面白い流れがあった。
実はこのカリビアンシリーズと全く同じ時期にラテンアメリカン・シリーズという野球の大会があった。
これはラテンアメリカプロ野球連合が主催し、メキシコのベラクルスリーグ、ニカラグア、コロンビア、パナマの4リーグの代表チームが戦うもう一つのウィンターリーグのクラブチームの戦いだ。
http://www.serielatinoamericana.com/2013/
(ちなみにこっちの大会もメキシコのチームが優勝した。)
カリブ野球連盟がこっちとどう付き合っていくのかはまだ明確ではないが、一緒にやっていくことも十分にありうるかもしれない。
ただ、ラテンアメリカプロ野球連盟側もブラジル、キューバに声をかけているようであり、独自の道を歩み始める可能性が高い。
一つ言えることは、今回の優勝決定戦の採用が成功したことで、改革することの重要性を理解し新しいことへチャレンジするモチベーションがアップしたのは間違いないだろう。

最後に。
今回の大会を見て強く思ったことは、球場に来ているファンがお祭りを楽しんでいるなぁということだ。
アジアにも各リーグの優勝チームが争うアジアシリーズがあるが、それはただ単にアジアのNo1を決めるということが主眼であり、大会のお祭り感は非常に乏しい。
ところが今回のカリビアンシリーズの公式Facebookにアップされるファンの写真を見ると、ミルマスカラスのような覆面をかぶった観客や、フェイスペインティングでメキシコの国旗を書いた観客など、盛り上げよう、盛り上がろうというファンが異様に多いような感じがした。
観客席からここまでやってもらえると、主催者だけでなく選手でさえも非常に嬉しいのではなかろうか。

メキシコの野球ファンたち
メキシコのファン3

メキシコのファン2

メキシコのファン1

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