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2019 カリビアンシリーズ総括

 
2019 カリビアンシリーズ総括

大会の1週間前にベネズエラの情勢不安を理由に急きょパナマに開催地が変更となった2019年の第61回カリビアンシリーズ。何とか無事に開催そして終了することができたのみならず、何と開催国枠で急きょ参加することになった地元パナマが69年ぶりの優勝を飾った。過去の大会と比較しても非常に印象深いこの大会、少し振り返ってみたい。

まずは各チームの振り返りから。

パナマ
突然参加することになったパナマ。パナマでもウィンターリーグが行われており、その優勝チームであるトロスがカリビアンシリーズの直前に行われたラテンアメリカシリーズでパナマ代表として出場していた。ラテンアメリカシリーズでは、準決勝で敗退したが、チームはその直後にカリビアンシリーズで戦う羽目になった。カリビアンシリーズではオリジナルチームの他に、ラテンアメリカシリーズで戦っていた相手チームのニカラグア人やベネズエラ人、ドミニカ人が補強選手として参加した。カリビアンシリーズが始まる前は、他国との戦力差から誰もが苦戦を予想したが現実は異なった。この大会でのパナマの全5試合での得失点差は+4点となり参加6カ国のうちのトップ。それのみならず、一試合当たりの得点とチーム打率は参加国中の1位、チーム防御率は2位と、他国に全く劣るところはなく優勝して当然の結果と言えるだろう。試合中継を見た私の感想は、一時期MLBでも流行った次の塁を積極的に狙い少ないチャンスを生かすスモールベースボールを実践している様子が見てとれ、パナマ人は体格もそれほど大きくないことから少し日本の野球に似ているなと感じた。又、今回行われたロッド・カルー球場もスモールベースボールに味方した。この球場は両翼98m、センターが122mと比較的大きく、今大会の全試合通算のHR数は5本しか出なかった。一試合あたりに換算すると0.38本になる。昨年のメキシコのハリスコ球場で行われた大会では全部で27本(一試合あたり2.07本)のHRが飛び出しており(ま、この球場は少し飛びすぎな感もあるが)、今大会はロースコアの勝負になったことも、パナマに有利な状況だった。もちろんクローザーを務めた元MLB選手のマニー・コーパスが参加できたことも大きい。MLBで実績十分のベテランが4セーブを挙げる活躍を見せ、最後に試合を決める勝ちパターンを確立できたことが良かった。地元の利や他チームの自滅など他の要因もあったが、総じて十分優勝に値するチームだったといえるだろう。

キューバ
久しぶりの決勝進出を果たしたキューバだったが決勝では地元パナマの勢いに勝てなかった。しかし2014年にカリビアンシリーズに復帰した頃のキューバ代表は、打てるけど、打たれる・守れないというチームだったが、今大会はチーム防御率が1.40とトップの成績を記録したように守備と投手が非常に安定してきた。この辺りは代表の選考基準を変えてきたということもあるのではなかろうか。しかしながら懸念は今でもデスパイネ、セペーダがスタメンに入っているだけでなく、打力が非常に低下していることにある。今大会のチーム打率は、.195で下から2番目、OPSは、.498で最下位であり、早急な打線の世代交代が望まれるところである。

ドミニカ
今大会のドミニカは1910年創立ながら初めてカリビアンシリーズに参加するオリエンタレス。誤算だったのは、パナマ戦を落としたことだろう。結果的には負けておかしくなかった相手だったが、完全に勝てると思っていた相手に負けたインパクトは大きかったように思う。これでドミニカは7年連続でカリビアンシリーズ優勝を逃しており同国の最長記録を更新。野球王国の復活はまだ先となりそうか。

メキシコ
メキシコはハリスコを本距離とするチャロスが出場した。ウィンターリーグでの3割打者4人を打線に揃えたチームで挑んだが、投手戦の戦いに敗れた恰好だ。一時期強かったメキシコからはここ2年少し勢いは無くなった印象がある。

ベネズエラ
今大会、本来ならベネズエラ代表のカルディナレスが優勝すべきだった。ウィンターリーグの最中にチームのメンバーが事故死。リーグ優勝して本拠地球場でのカリビアンシリーズを自力で勝ち取ったにもかかわらず、突然の開催地変更と、意地を見せるならここしかなかった。シリーズの最初の2試合は勝利したものの、その後はエラーが重なり自滅、勝ち進むことはできなかった。ベネズエラは過去の大会でも予選ラウンドは強いが、準決勝、決勝であっさり負けることが多く勝負弱さを見せていた。これは国民性なのかどうか不明だが、過去のWBCでも、いわゆる野球強豪国では唯一決勝に進んでいないのも無関係ではなかろう。

プエルトリコ
昨年、一昨年と優勝し3年連続の優勝を目指したプエルトリコ。しかしながら結果は1勝もできず最下位に終わった。実はプエルトリコ代表のカングレヘロスは、リーグ優勝が決まった後、監督のラモン・バスケスが辞意を表明しカリビアンシリーズでは采配を取らないことが発表された。地元新聞にはその明確な理由は記載されておらず、大人の事情なのか知らないが、こんな状況ではまともに戦えるような状況じゃなかったのが裏事情だ。又、今カリビアンシリーズは初めて6チームが参加したため、プエルトリコは初の6位という不名誉な記録を作ってしまった。さて、次の2020年のカリビアンシリーズはプエルトリコの首都サンファンで行われる。ぜひともウィンターリーグのリーグ戦から盛り上げ、地元優勝を目指して準備してほしい。

次に大会全般を振り返る。
当初予定されていた2月2日の開幕日に対し、ベネズエラで開催されないことが決定されたのが1月27日。パナマに決まったのが1月28日と、大会が行われたこと自体が奇跡的と言えるこの大会。特にパナマは、スタジアムの準備、選手・スタッフの交通やホテルの確保、短期間でのチケットの販売、スタジアムでの飲食物の準備と、よくこんな短期間で実現できたというのが正直な感想だ。地元の新聞記事を見ていても致命的なトラブルは報告されておらず、毎日1万人以上の観客が訪れるなど大成功に終わったと言えるだろう。

一方、カリビアンシリーズの開催を奪われたベネズエラのバルキシメトの人達にとっては、さぞ残念だったことだろう。本来は2018年に開催するはずだったが、やはり政情不安と賞金払いの能力の懸念により2019年に延期、そして今年は大会直前での変更である。使用予定の球場は開催の為に大規模な改修が施され、ホテルの予約状況も好調、チケットも地元チームの出場により前売りで5,000枚が売れ、あとは開催を待つのみだった。そんな状況でのキャンセルに地元民は心底落胆しただろう。ベネズエラのスポーツ大臣は主催者のカリブプロ野球連盟に対し法的な賠償を請求する構えを見せ、マドゥロ大統領は「アメリカがこれを命令した。」と、強く非難をした。私の印象としては、ベネズエラでやろうと思えば野球の試合はできたであろう。安全面も心配されたが、反政府デモが行われていたカラカスから西に300km離れたバルキシメトでは恐らく問題にはならなかっただろう。しかし米国籍選手にビザが発給できない問題がクリティカルであり、これによりプエルトリコの選手はほぼアウト、他のチームにも参加できない選手が出たことだろう。又、超インフレな状況で、本当に(米ドルで)賞金を払うことができるかも大きな不安である。今後のことを考えると、すぐにはベネズエラ開催は難しいのではなかろうか。今のベネズエラの政治情勢を見ていると、簡単に解決するとは思えないからである。

次に今大会で唯一大きくクローズアップされた問題を取り上げる。以前にも書いたが、カリビアンシリーズはカリブプロ野球連盟の加盟国4か国(プエルトリコ、ドミニカ、メキシコ、ベネズエラ)のウィンターリーグの優勝チームが集まりカリブのNo1を決める大会である。従って、2014年からカリビアンシリーズに参加しているキューバは招待国という位置づけで参加しており、今回のパナマも招待国だった。そこで問題が起こった。決勝戦の2日前にカリブプロ野球選手会から、「キューバとパナマは招待国のために賞金を受け取ることができない。」と発表された。カリビアンシリーズの賞金総額は215,000ドルであり、1位のチームが60%、2位のチームが40%を受け取る仕組みになっている。この賞金はカリブプロ野球連盟の各国から集められた元金であり、いわゆる”ショバ代”を払っていない招待国には賞金を受け取る資格は無いというのが選手会の主張だ。パナマプロ野球リーグのサランディア会長は「理解はできるが決勝の2日前ではなく、もっと早く言ってほしかった。」とコメントした。奇しくもこの招待国の2チームが決勝に進んだために、地元新聞もこの件について大きく取り上げ、パナマの野球ファンも、「何故優勝したチームが賞金を貰えないのか!」と球場で騒動となっていたようだ。後述するが、今後カリビアンシリーズの参加チームを増やす案があるが、この賞金の問題は早急に解決すべき問題のように思われる。ちなみに今回の賞金は、3位のドミニカと4位のメキシコが受け取った。
(追記)後日、パナマ政府が優勝チームに敬意を表し、参加選手に対し一人当たり1,500ドルの賞金を授与したとのこと。

次に今後の大会への展望を述べたい。カリブプロ野球連盟のフランシスコ・プエジョ会長は、「今大会で新たな市場の開拓に短期間で成功した。」とコメントした。これは偽りのない正直な感想だろう。2020年の大会ではフォーマットについては再考の余地はあるが、参加国6チームを維持したいとも発表した。そのメリットはより多くの国に放映権を売りたいという意図があるようだ。チーム数が増えることにより期間を延ばす案については、テレビ放映についての懸念を例に出し、「2月初旬のスーパーボウルの前はテレビ局が他のスポーツに投資しない。従って、理想的にはスーパーボウルの後が望ましく、その結果、今より期間の延長をするのは非常に難しい。」とコメントした。なぜならカリビアンシリーズはMLBとの協定で2月10日より前に終わらなければいけない規定があり、後ろに延ばせないからだ。又、6チーム目をどうするかという問題も残っている。ラテンアメリカシリーズの優勝国を招待国として参加させるという案もあるようだが、前述の賞金の問題、つまり無報酬でも参加しないといけないのか、あるいは前年チャンピオンのパナマは参加できないのか等、解決すべき問題は多い。賞金の問題が解決すれば将来的には恒久的にニカラグア、コロンビア、パナマを入れて8チームで戦う案もあるようだが、チームが増えると当然必要経費も増えるため、そのコスト増をどうやって調達するか等、一朝一夕で解決する問題ではない。

前述のカリブプロ野球連盟のプエジョ会長についてもコメントしたい。本名はフアン・フランシスコ・プエジョ・エレーラ(Juan Francisco Puello Herrera)といい、本業はドミニカ共和国で弁護士を営んでいる。1991年に会長に選出されると、今まで6回の再選を果たし今年で28年目となる長期に渡って会長の職に就いている。弁護士らしく論理的な喋りが特徴であり、らつ腕の会長であるが、私の感想は、「ちょっと在職期間が長すぎる」だ。後任を育ててカリビアンシリーズを次のステージに進めることも必要に思う。

最後に
今大会の初日に、今年満票でMLBの殿堂に入ったパナマ人のマリアーノ・リベラがパナマのユニフォームを着て、同じくパナマ人として初めて殿堂入りしたロッド・カルーの名前がつけられた球場で始球式を行った。パナマの野球界にとってはこの1月から2月の1か月間は”波が来た”と言わんばかりの出来事が立て続けに起こった。パナマのマニー・コーパスも「パナマの野球のためにはこのレベルの大会に参加していくことは非常に重要である。」と述べた。確かに選手や野球ファンにとって高いレベルでプレーすることや応援することは大きなモチベーションとなるだろう。そういう意味でも、今大会はパナマのみならずカリブ全体の野球において大きなターニング・ポイントになる可能性も秘めており、来年以降のカリビアンシリーズの行方に大きく期待したい。

以下表彰選手
MVP: Javier Guerra (Panamá)
LD: Lázaro Blanco (Cuba)
LZ: Andy Otero (Panamá)
C: Wilkin Castillo (República Dominicana)
1B: Víctor Mendoza (México)
2B: Alexi Amarista (Venezuela)
3B: Elmer Reyes (Panamá)
SS: Javier Guerra (Panamá)
LF: Alfredo Despaigne (Cuba)
CF: Junior Lake (República Dominicana)
RF: Jilton Calderón (Panamá)
Manager: Manuel Rodríguez (Panamá)

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